最新の高糖度トマト栽培方法はこれだ !糖度8~9%
近年大人気の「高糖度トマト」、いわゆるフルーツトマトを自分でも作ってみたいという農家の方がきっと多いはず。最新の高糖度トマト栽培方法トマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227)システムは、トマト嫌いの子どもがトマト好きになる高糖度トマトの生産が可能です。そのために最も重要な土壌の水分量を自動測定し、潅水を最適に自動供給するトマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227)は、最新の高糖度トマト栽培方法で高糖度のトマトを産み出します。
トマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227)
高糖度トマトの生産を目指す農家向け
~高収益をもたらす自動潅水装置~
トマトバッグ栽培潅水プロシステム
バッグ培土中の土壌水分含量(体積含水率%)を測定してバッグ内を最適土壌水分にすることにより、糖度8~9%の高糖度トマトを産み出す自動潅水装置を開発しました!
バッグ培土中の土壌水分含量(体積含水率%)を測定してバック内を最適土壌水分にすることにより、糖度8~9%の高糖度トマトを産み出す自動潅水装置を開発しました!
トマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227)の効果測定
トマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227)の効果測定
トマトバック栽培潅水プロシステムを使用して栽培したトマトの糖度検査です。
糖度9.5%のトマトを含め甘い高糖度トマトの栽培が可能です。
※一般的なトマトの糖度は4~6度ぐらいです。(農林水産省HP参照)
トマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227)の主な仕様
1日に最大10回の潅水が可能
- ・1日に10点潅水時刻を設定できます。
- ・潅水時刻の水分含量が基準値より少なければその時刻に設定した量(秒単位)を潅水します。
- ・基準値より多ければ潅水しないで、次の潅水時刻まで待って、潅水するかどうか判断します。
トマトバック潅水制御盤
潅水可否の土壌水分含量を午前午後と2段階設定可
- ・潅水直後は培土の水分含量は60%前後になります。トマトが萎れる土壌水分含量は20~30%。
- ・トマトの糖度を高めるには午後の潅水量を少なくして夜に培土に水が残らない潅水が必要になります。
- ・午前中は高土壌水分含量で潅水するように設定、午後は夜に水が残らないようにするため低土壌水分含量で潅水することをおすすめします。
- ・例えば、木作り中は高土壌水分含量、糖度を高める時期には午後以降は低土壌水分含量に設定するとよいでしょう。
最新の高糖度トマト栽培方法「トマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227)」はこのように自分で各設定値を決めて入力でき、自分の栽培経験を生かすことが可能となります。
埋め込み前の水分計と潅水装置
トマトバック培土に自動潅水
夏時期の潅水制御状況をグラフ化(1日の経過を追う)
潅水設定における土壌水分含量は、予めAM5時からPM時まで38%、PM14時以降を28%と栽培者自身が入力したものです。
1日の土壌水分含量は、1日間はモニターに記録されるので、下記のデータ記録を見て潅水設定を修正することができます。
このケースでは電磁弁を開放し潅水する時間を60秒ないし90秒で計6回潅水するように設定しています。
上記測定データの読み方
- ・10:00と12:00は設定した土壌水分含量(38%)よりも高水分含量のため潅水をしませんでした。
- ・14:00以降、低水分含量(28%)に設定したので翌朝の潅水となります。
注)トマトバッグ栽培潅水プロは、元静岡県農業試験場長 大沢高志博士のご協力で開発しました。
第一世代の日射比例潅水コントローラー(トマトバッグ栽培潅水プロ1型 TB-227-1)
トマトバッグ栽培潅水プロ1型(TB-227-1)の開発の経緯
2007年頃でも、生産量を重視したトマト栽培が主流であり、ミニトマトの糖度はBRIX値で5%に満たないものが多かった。当時、大沢高志博士(元静岡県農業試験場長)は、生産量を確保しながら付加価値の高い高糖度のミニトマト(BRIX値8%以上)を目標とする「トマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227-1)システム」を開発しました。
- 高糖度のトマトにする潅水の基本は、水をかけ過ぎないことです。トマトの水分吸収をきめ細かく制御することが可能な潅水コントローラーの開発を大沢高志博士より当伊達潔技術士事務所に依頼されました。
- この当時、土壌水分量を測定することは可能でしたが、土壌水分を測定するセンサーに問題がありました(センサーの応答速度が遅いあるいはセンサーの汚れなどから長期間センサーをメンテナンスフリーで埋設できない)。このため高糖度を目標とした栽培現場できめ細かい制御に使用することができませんでした。
- 蒸散量が多いと土壌水分量は大きく減少します。昼間の蒸散量は日射量と相関関係が高いことが知られていた。そこで日射量を測定して、その値によって潅水量を制御することに着目しました。
日射比例潅水コントローラー(TB-227-1)の特徴と制御例
この「トマトバッグ栽培潅水プロ」の要である日射比例潅水コントローラーは、1日に10回潅水(潅水時刻を設定)することができます。各潅水時刻とその時に潅水する秒数(電磁弁を開く秒数)を電磁弁ごとに設定します。潅水する秒数は、晴天の日を想定して決定することが必要です。標準で8つの電磁弁の制御を農家の方が潅水量を個別に指示できるように設計しました。
- 日射量により潅水量を制限するために、1分ごとに日射量を測定し、そのとき曇りかどうか判定します。曇りかどうかの判定は、ユーザーが曇りと考える日射量を下回ると曇りと判定します。
- 曇りの程度を5段階(0~20%、21~40%、41~60%、61~80%、81~100%)に分け、段階ごとに100%(ほとんど晴れ)、80%、60%、40%、20%(ほとんど曇り)のように希望する潅水制限%を設定します。各潅水時刻に曇りの程度を計算し、晴れを基準に設定された潅水秒数(ここでは100秒)に制限する係数を掛けた秒数を潅水します。
- たとえば、潅水時刻に計算した曇り程度が90%(ほとんど曇りか雨である)であれば、ここでは20%と設定しているので100秒×(20÷100)=20秒潅水することになります。0%と設定していれば潅水しません。
- トマトバッグ栽培潅水プロは水をかけ過ぎないようきめ細かく設定でき、しかも急な日射量の変化(午後から雨など)があっても自動で潅水量を制限できるようになりました。
注)トマトバッグ栽培潅水プロ1型は、元静岡県農業試験場長大沢高志博士のご協力で開発しました。
第二世代の土壌水分対応潅水コントローラー(トマトバッグ栽培潅水プロ2型 TB-227-2)
トマトバッグ栽培潅水プロ2型(TB-227-2)の開発の経緯
- 日射比例潅水コントローラーは、蒸散量と日射量との高い相関関係にあると仮定して潅水量(電磁弁開秒数)を制御しています。厳密には、蒸散量は日射量だけでなく気温、葉温、湿度、風速などの付近の環境と作物の生理状態、生育状況に関係しています。
- トマトの糖度と直接的に関係深いのは土壌水分であり、日射量ではありません。したがって、潅水量を決めるのに曖昧さが残ります。夕方、土壌水分が高くなる(潅水過多)と糖度だけでなく裂果が多くなり、収益が減少することにつながります。
- 近年、連続して埋設可能な土壌水分センサーが開発された。この土壌水分センサーの栽培土壌での応答性を調べたところ、高糖度トマト栽培に十分利用可能であることが検証された。
- 土壌水分センサーを用いバッグ培土中の土壌水分含量(体積含水率%)を測定して、バック内を最適土壌水分にして、高糖度トマト栽培をめざす自動潅水装置「トマトバッグ栽培潅水プロ2型」(TB-227-2)を開発しました。
トマトバッグ栽培潅水プロ(TB-227-2)の特徴と制御例
・トマトバッグ栽培潅水プロ2型システム(TB-227-2)は1日に10回の潅水時刻を設定できます。
・潅水時刻の水分含量が基準値より少なければその時刻に設定した量(秒単位)を潅水します。
・基準値より多ければ潅水しないで、次の潅水時刻まで待って、潅水するかどうか判断します。
・潅水直後は培土の水分含量は60%前後になる。トマトが萎れる土壌水分含量は20~30%。
・トマトの糖度を高めるには午後の潅水量を少なくして夜に培土に水が残らない潅水が必要になります。
・午前中は高土壌水分含量で潅水するように設定、午後は夜に水が残らないようにするため低土壌水分含量で潅水します。
・例えば、木作り中は高土壌水分含量、糖度を高める時期には午後以降は低土壌水分含量に設定する。このように自分で各設定値を決めて入力でき、自分の栽培経験を生かすことが可能となります。
・1日の土壌水分土壌水分含量は、1日間はモニターに記録されるので記録を見て潅水を修正することができます。
1日の潅水量設定例(夏作のケース)
・潅水コントローラーへの設定数値は農家・栽培者の方が予め入力しておきます。
・潅水量は通常かかる水圧において、潅水秒数と潅水量の関係をあらかじめ調べておき、適量の潅水秒数を入力することが肝心です。
▼木作り時の潅水
潅水時刻 | 05:30 | 08:00 | 09:00 | 10:00 | 11:00 | 12:00 | 13:00 | 14:00 | 15:00 | 16:00 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
潅水量(秒) | 60 | 90 | 90 | 60 | 60 | 60 | 60 | 60 | 60 | 60 |
センサー値 | 午前午後とも35%以下で潅水 |
▼高糖度化の潅水
潅水時刻 | 05:30 | 08:00 | 09:00 | 10:00 | 11:00 | 12:00 | 13:00 | 14:00 | 15:00 | 16:00 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
潅水量(秒) | 60 | 90 | 90 | 60 | 60 | 60 | 60 | 30 | 30 | 30 |
センサー値 | 05:30~13:00 まで35% | 14:00~16:00まで25% |
夏時期の1日の制御事例
・潅水コントローラーへの設定数値は農家・栽培者の方が予め入力しておきます。
設定条件:土壌水分含量はAM5時からPM14時まで38%、PM14時以降28%
潅水秒数は8時および9時は90秒、それ以外は60秒とした。
*この日の潅水は計6回。10:00と12:00は設定した土壌水分含量(38%)よりも高水分含量のため潅水をしなかった。また、14:00以降、低水分含量(28%)に設定したので翌朝の潅水となる。
注)トマトバッグ栽培潅水プロ2型は、元静岡県農業試験場長 大沢高志博士のご協力で開発しました。
珊瑚を培地としたトマト栽培システム
高糖度トマト栽培方法は年々進化しています。この珊瑚を培地としたトマト栽培システムは珊瑚を培地とし、潅水量・培地の水分・養液の電気伝導度をコントロールする高糖度トマトの栽培システム。養液は循環させ、極力、化学農薬を使用しないようにしています。