有機栽培システム
有機栽培システム開発の経緯
- 李登輝総統時代の台湾政府は台湾の農業の将来を見通し、これまでの農業を続けていると中国から輸入される安価な農産物に敗退すると考えていた。
- また当時中国からの農産物の密輸が問題視されていた。廉価な野菜であっても業者は十分な利益が上がるからである。
- これらを回避するために台湾政府は、台湾国内の農産物に付加価値を付けなければならないと考え、その一つとして農薬と化学肥料を使わない有機農産物を安定的に生産する栽培システム開発と栽培試験を行うよう国立の農業試験機関及び台湾国内の提携企業に命じた。
- その台湾の提携企業より当事務所宛に有機栽培システムの設計が依頼されました。
下記の観点から有機栽培システムを設計
- 亜熱帯地方に適した栽培温室の決定
温室の天井は作物に雨滴がかからないようにガラス、側壁と妻壁は害虫の侵入を防ぐとともに通気性をよくし高室温とならないように防虫ネットを設置した。 - 労働生産性を上げる。
- 頭上潅水装置で潅水とBT剤散布の両方ができる装置を設置する。
- 高設栽培ベッドで立ったまま収穫や日々の管理できるように設計する。このようにして日々の管理をする人を少なくする。
- 有機栽培システムの耐久性の向上
有機栽培システムの耐久性が無いと頻繁に栽培ベッドを作り直す必要がある。作り直すには培土を取除き、補修し、再度培土を入れ直すので多大な経費が発生する。 - 栽培ベッドの枠を耐久性の高いアルミ板、底にステンレスの網を敷き栽培ベッドを構成した。
有機栽培システム施設後のフォロー
- 有機培地(ココピート)と固形有機肥料で多種の蔬菜を栽培した。
葉ネギ、食用サツマイモの茎葉、スープセロリ、サラダ菜、リーフレタスなど長期間栽培された。順調に有機栽培ができた。 - 3年間連作しているが、障害は見られない。
安全な作物の提供もさることながら、味に定評がある。 - 設置して15年経過しても栽培ベッドをメンテナンスすることは無かった。
当事務所の有機栽培システムの特徴
高設栽培で有機培地と固形有機肥料でいろいろな蔬菜を栽培しています。
潅水は移動式の頭上潅水装置を用いて省力を図っています。
防除は天敵、BT剤を組合せて、有機栽培実現しています。